パパが休めば、日本の子育てが変わる そして社会が変わる

 

さんきゅーパパプロジェクトとは

 

「さんきゅーパパプロジェクト」とは、改正育児介護休業法でパパだけに認められた産後8週間の育児休業を「パパ産休」と名付け、この期間に育休を取得する男性(さんきゅーパパ)を増やすことで父親の育児参画を促し、子育て家庭における夫婦の調和、親子の絆を確かなものとする。また企業、国、自治体等におけるワークライフバランスや次世代育成の取組みを推進することを目的とし、2010年3月9日に立ち上げたNPO法人ファザーリング・ジャパンが実施する社会変革プロジェクトです。

 

【さんきゅーパパプロジェクトの3つのミッションは?】

  1. 産後8週間内の男性の育児休業取得率を上昇させる
  2. 産休中のパパのネットワークを構築し、孤立化させない
  3. 個人・企業・社会に対し「パパ産休」を啓もうし、社会構造の変革を導く

 

【改正育介法の「パパ産休」とは?】

2010年6月30日にその大部分が施行されることになった改正育児介護休業法(以下 改正育介法)には、男性の育児休業の取得促進が期待される様々な施策が盛り込まれております。その1つが、父親が出産後8週間以内に育児休業を取得した場合に、再度、育児休業を取得することできる「パパ休暇」の創設です。この産後8週間内の育児休業は父親だけに認められた権利であり、厚生労働省では「パパ休暇」としていますが、FJでは「パパ産休」と名付けて推進していきます

 

【なぜ産後8週間なのか?】

労働基準法の母性保護規定により、出産した女性は産後8週間原則働くことができません。これは出産後の母親には産後ケアが重要で母体を守る必要があるからです。

しかし、日本の母親は産後8週間において職場勤務はないまでも家庭内で育児と家事を強いられているのが現状です。また、母親だけの里帰り出産が常態化している日本において、母子里帰り中の父子の愛着形成が阻害されるばかりか、その後の夫婦のパートナーシップにも深い影を落としています

 

【日本男性の育児休業取得が増えない理由は?】

男性の育児休業取得率は、2008年の統計で1.23%と低迷しているものの、育児休業取得希望者は約3割に達し、実際の取得率と希望者の割合は広がる一方です。このギャップの原因の1つとして、経済的ロスが挙げられます。

同時に、男性の育児休業の取得促進には職場環境の改善が不可欠です。不景気のあおりを受けて、育休切りや職場流産といった職場での子育て環境の悪化が社会問題となっています。また、キャリアロスも男性の育児休業取得を阻害する原因の1つとなっています。男女ともに育児をするものが企業において実質的に不当な扱いを受けるようでは、改正育介法違反となるだけでなく、出産や育児よりも仕事を優先せざるを得ない状況を放置したままでは、少子化に歯止めをかけることはできません。

 

【さんきゅーパパの活動内容は?】

「さんきゅーパパプロジェクト」では、主に以下の活動を実施します。

 

  • 個人や企業・団体から寄付金や協賛金などを募り、それを産後4週間以上8週間以内で育児休業を取得する父親に対し、経済的支援を行います。
  • 産休中の父親同士の悩みや喜びを共有し、様々なサポーターの助言や応援を受けられる仕組みを構築することで孤立化しがちな父親(母親)を支援します。
  • 父親の育児休業の取得促進のために、“プレパパ・プレママ”やパパ・ママだけでなく、里帰りを受けるそのご両親である“ジジ・ババ”世代に対しても啓蒙活動を行っていきます。
  • 企業に対し、企業の社会的責任(CSR)の中でも「企業の子供への責任(CCR:Corporate Children Responsibility)」を掲げ、改正育介法の理解と職場における子育て環境の改善を要望します。
  • 男性の育休希望者・経験者の声、産後ママの声をはじめ、男性の育休取得者を多数輩出している企業や中小企業での先進的な取り組みなどを調査し、社会に対して男性の育児休業を推進するための政策提言をいたします。